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さくらんぼの性は/ジャネット・ウィンターソン著

読んだ後に、歌が聞こえてくるような
さくらんぼの性は/ジャネット・ウィンターソン著_a0094915_2161610.jpg色が残り続けるような、不思議な本でした

メインの舞台は17世紀のロンドン
疫病とピューリタン革命の時代

男を片手でつまみ上げられるくらいの大女と
赤ん坊のとき彼女に川で拾われたジョーダンとの
奇妙な旅のお話

どの部分が現実の話で、
どこが挿話で、どこが想像の話、だとか
そんなのを飛び越えたファンタジーでした

***

ホピというインディアンの種族の言語は、時制というものがない
過去、現在、未来の区別が存在しないのだ。
このことは、時間について何を物語っているのだろう

***

あらゆる旅は、その行間にもう一つの旅を隠している。
歩かれなかった道、忘れ去られた曲がり角。
そういう旅のことを僕は書いておこうと思う。
僕が実際にした旅ではなく、したかもしれない旅。
あるいは別の時、別の場所でした旅。

***

本当は僕らが時間の中を動くのではない。
時間が僕らの中を通り過ぎるのだ。

もしもすべての時が永遠に現在の連続であるのなら、
ひとつの現在から別の現在に飛び移っていけないという法はない。

***

ジョーダンの言葉ばかりを抜粋してしまったけど
私が愛しく、胸にしみたのは
大女のお母さんのたましい 
とても強くて、一途で、せつなくなります


お気に入りの一冊ができました
by popomama1230 | 2009-11-11 02:17 |
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